茨城県大洗町の老舗寿司店

栗 崎 屋

〒311-1311 茨城県東茨城郡大洗町大貫町531

大洗鹿島線「大洗駅」より徒歩約5分

お寿司の出前も承ります。

029-266-3355
営業時間
11:00~14:30/17:00~21:00
休業日
木曜日(祝日営業)、その他臨時休業有り

あなご物語

あなごちらし寿司

立ち店の寿司やの職人の「腕」の見せ所は、付け場(カウンター)での握り以外に「仕込みの技」がある。生ネタが主流の現代と異なり、昔は「熱を通したり、お酢を使ったネタ」が多かった。コハダ・ハマグリ・あじ・車海老・・・そして「穴子」。

子供の頃からいつも聞かされた「すし職人の腕」とは、「穴子を食べればすぐわかる」でした。何たってこの「穴子」すしネタの中でも一番仕込みが大変なんです。

目打ちをし、背開きにおろす。何故、背開きかって言うと、その昔、江戸時代に、あなご寿司の好きな関東のお侍様が、穴子を腹から開いているのを見て、

「これはいけない!私達侍が、腹おろし(腹を切る)の魚を好んでいたとは・・・。」

「職人、何とかならないか?」

それを聞いた職人が苦労の末、背開きでおろしたそうです。おろした「穴子」は、良く洗い、調味した「煮汁」で煮る。煮上がったら、盆ザルに取り粗熱をとり冷蔵庫へ。軽く焙ってから握ります。

何故、「焙るの?」

今では電子レンジやオーブンレンジがあって、穴子に限らず、煮魚の残りも温かく食べる事ができますが、まだ文明の力が発達していない時代には、残った煮魚等を七輪などで温めて食べていました。
一度、煮た魚を焙っていると、「何とも言えない香ばしさ」が漂ってきます。
この砂糖と醤油の焦げる香ばしさは、「日本人の食欲」をかきたてますよね。何とも良い香り・・・。握った後に、煮詰め(甘タレ)を刷毛で塗り

「はい、召し上がれ・・・。」

穴子の仕込みの中に、この「煮詰め」の一苦労もあります。この「煮詰め」が、またまた大変な作業なんです。

「まさに職人の腕次第」

穴子をおろした時にでた「あら」(頭と骨)を弱火でこんがり焼き、穴子を煮た時の煮汁に加え、弱火でコトコトと、半日。ここまでして創った「煮詰め」は、冷蔵庫に入れて置けば「50年でも100年でも腐る事は無い」お店(職人)の命。

こんなにまで「手間」のかかる穴子。その穴子を贅沢にも、ふんだんに使った「名物・あなごちらし寿司」。

こんな旨い食べ物を嫌いな「日本人」いるの?
ぜひぜひ、一度ご賞味下さい。

オンラインショップ

栗崎屋のオンラインショップでは、大洗ブランド認証品・ひぬま産冷凍「大和しじみ」をお買い求めいただけます。出汁が良く出て、とっても美味しい「大和しじみ」を、ご家庭でも是非ご賞味ください。

すし屋の親父の
美味しい話

大洗・老舗すし屋の親父が気まぐれに綴る美味しい話。