お寿司の出前も承ります。
営業時間 | 11:00~14:30/17:00~21:00 |
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休業日 | 木曜日(祝日営業)、その他臨時休業有り |
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丁稚
今を遡る事、30数年前の事。私の丁稚(見習い)当時のお話。
今回はチョット変えて、物語風です。
都内の結構大きな、個人の寿司店での事です。
一年生の私は、洗濯物・掃除、等々の下働きの日々を過ごしていました。営業中のある日、親方から小声で…。
親方 「おい、○○君。5番テーブルに上がりの差し替え(新しいお茶を入れること)をしなさい。」
私 「はい、かしこまりました。」
―? とは言うものの、さっき10分位前に差し替えたばかりなのに…。
しかし、ここで何か言うと、親方の蹴りやげんこつが飛んでくるので、こんな時は「はい」。
私 「失礼します。お茶をお持ちいたしました。」
5番テーブルのお客様 「ありがとう。頼まなかったのに、良く解ったわネ〜。気の利いたお店ネ。」
私 「ありがとうございます。」
そう、さっき差し替えたのに、3名のうち2名のお客様の湯呑にはお茶が無い。
親方は、どうして分かったのか?
だって、お客様と親方の距離は10m位あるのに、どうして?
千里眼?
その日の営業終了後、怒られるのを覚悟して親方に聞いてみた。
私 「親方、すみません。先程のお客様の、上がりの差し替えの件でお聞きしたいんですが、どうしてお客様の湯呑にお茶が無い事が分かったんですか?」
親方 「なぜだか、考えなさい!!ばか者。」
…結構なげんこつを頂きました。
しかし解らないので、もう一度、聞きました。すると…、
親方 「別に私は、千里眼を持っている訳でも、念力が使える訳でもない。お客様が、お茶を飲んでいる時の、湯呑の角度を見ているだけだ。」
「もっと注意深く、お客様に気を配りなさい!!」
そして、蹴りを一発。
この様な事を覚えるのも「見習い」の大事な事です。
しかし「蹴りとげんこつ」を一度にもらえるとは…。
あまり美味しい話とは言えないかも?